【初学者必見】社労士試験の試験内容とは?分かりやすく解説。
社労士試験の内容を詳しく知りたい。
社労士試験ってどんな試験なの?
本日は初学者の方向けに上記の疑問に答えていきます。
私は銀行員として働きながら、2018年社労士試験に合格しました。
社労士試験は似たような科目がたくさんあるため、初学者の方は混乱してしまいがちです。
しっかりそれぞれの科目の特徴を理解して、体系的に把握していくことで学習効率がグッと上がります。
特に私のように完全独学の場合は体系的な理解ができるかどうかで短期合格ができるかが決まります。
ちなみに私は3回落ちました😭
私の失敗をもとに、皆さんの役に立つ記事になればと思います。
それでは始めていきましょう。
銀行員をしながら様々な資格にチャレンジしています。
大学受験で失敗し、社労士に3回落ち、簿記2級にも3回落ち、宅建も落ちました。
それでも最後は全て合格できました。
あきらめなないことが人生のコツ。
社労士試験の試験内容
社会保険労務士試験は毎年8月の第三日曜日に実施されています。
試験は1日間でおこなわれます。
午前中に選択式試験(80分)、午後に択一式試験(210分)が行われます。
すべてマークシート形式の試験となっており、かなり運の要素も強いです。
社労士試験の試験科目はこちらです。
【労働保険】
・労働基準法
・労働安全衛生法
・労災保険法
・労働保険徴収法
・雇用保険法
・労働保険に関する一般常識
【社会保険】
・健康保険
・国民年金保険
・厚生年金保険
・社会保険に関する一般常識
また社労士試験には、科目ごとに足切り制度あり、一つでも点数が低いと不合格となってしまいます。
選択式試験、択一式試験それぞれの合格基準を見ていきましょう。
選択式試験、科目ごとの配点
選択式試験とは、いわゆる穴埋め問題です。
虫食いになっている文章に、適切な語句を選択する問題ですね。
配点はこんな感じです。
科目 | 配点 |
労働基準法と労働安全衛生法 | 1問(5点) |
労災保険法と労働保険徴収法 | 1問(5点) |
雇用保険と労働保険徴収法 | 1問(5点) |
労働保険一般常識 | 1問(5点) |
社会保険一般常識 | 1問(5点) |
健康保険法 | 1問(5点) |
国民年金保険法 | 1問(5点) |
厚生年金保険法 | 1問(5点) |
合計 | 8問(40点) |
選択式試験は、大問が8つあり、それぞれの配点は5点です。
合格基準は3点になるため、8つの大問全てで3点確保できれば合格となります。
ただ、難易度の高かった大問は救済措置がとられ、2点でも合格基準を満たす場合があります。
このように毎年の難易度により合格基準点が変動するため、社労士試験が複雑化しています。
特に、大問の一般常識に関しては、難易度が高く運に頼らざるをえない問題が頻出されており、社労士試験が運ゲーと呼ばれる要因となっています。
とりあえず大問でそれぞれ3点以上となれば合格なので、3点を確保できるよう勉強しましょう。
択一式試験、科目ごとの配点
択一式試験とは、出題される5つの文から、一つの正解、もしくは間違いを回答する問題です。
計70問が出題され、時間との勝負になってきます。
得点配分はこちらです。
科目 | 配点 |
労働基準法と労働安全衛生法 | 10問(10点) |
労災保険法と労働保険徴収法 | 10問(10点) |
雇用保険と労働保険徴収法 | 10問(10点) |
労働保険、社会保険の一般常識 | 10問(10点) |
健康保険法 | 10問(10点) |
国民年金法 | 10問(10点) |
厚生年金法 | 10問(10点) |
合計 | 70問(70点) |
択一試験は自分の実力がそのまま点数に反映されます。
選択式試験とは違い運で何とかなるものではありません。
どれだけ頑張って勉強してきたかが問われるのが択一試験です。
択一の点数が伸びないときは単純に勉強が足りないと思ってください。
勉強時間が十分であれば確実に点数に現れてきます。
社労士試験の科目ごとの説明
労働基準法
労働基準法とは、簡単に説明すると、労働者の権利を守る法律になります。
使用者と労働者の関係は、どうしても雇用主である使用者のほうが立場的に上になります。
労働基準法により、労働者の権利を明確にすることで使用者と対等の立場で向き合っていくことができるようになります。
サラリーマンの方にはなじみが深い分野になるので、勉強する分には理解が進むんじゃないかと思います。
時間外や年次有給休暇などは、職場でも役に立つ知識になると思います。
また、労働基準法は他の科目に比べ、「通達や判例」からの出題が多いです。
法律科目を体系的に学習する必要もあるため難易度は高めの科目です。
労働安全衛生法
労働安全衛生法は労働災害防止のための最低水準を定めた法律です。
事業者や労働者が守るべき規定を細かく定めているため、理解というよりは暗記中心の科目になります。
苦手とする受験生も多いです。
ただ労働基準法よりは難易度は低いので、安全衛生法で得点を稼ぎたいところです。
特に「安全遠征管理体制」と「健康診断」に関しては重点的に学習しましょう。
労災保険法
労災保険とは、「業務上・通勤途上」における「負傷・疾病・障害・死亡」を保険給付の対象とする保険です。
ようするに仕事中に怪我したら労災がおりるというやつです。
労災保険は最初の社会保険制度といわれています。
労災保険をしっかり基本から押さえておけば、後で学習する健康保険の基礎固めにもなります。
また国民年金や厚生年金にも通じる部分もあるため、徹底的に学習しておきましょう。
雇用保険法
雇用保険法の前身は失業保険法です。
昔は主に失業者に対する補償という役割を果たしていましたが、現在ではその対象は広がり、雇用に関する総合的な保険制度となっています。
学習の中心となるのは、会社員が失業した場合に支給される「基本手当」です。
基本手当は失業している間の生活保障として支給されます。
雇用保険の学習は、まずこの基本手当に関する諸規定を丁寧に勉強しましょう。
労働保険徴収法
労働保険徴収法は、労働保険(労災保険及び雇用保険)の適用・徴収を定めた法律です。
納期限や保険料の計算方法など、手続きに関する細かい規定が多いため苦手としている受験生が多いです。
しかしながら、十分な学習を積んでいれば確実に得点できる科目といえます。
選択式試験での出題はありませんが、択一試験では重要な得点源となるためしっかりと勉強しましょう。
労働保険に関する一般常識
正式名称は労務管理にその他の労働に関する一般常識です。
略称は「労一」です。
労一は最も学習しにくい科目といわれています。
その理由は学習すべき内容があまりに広範囲にわたるからです。
労一の学習は、確実に抑える項目と、とりあえず目を通しておく程度の項目に分けて学習しましょう。
細かい数字は覚える必要はありませんが、「専門用語」は暗記が必要です。
出題確率の高い法律 | 次に出題確率の高い法律 |
・労働契約法 ・労働者派遣法 ・男女雇用機会均等法 ・労働組合法 |
・最低賃金法 ・雇用対策法 ・職業安定法 ・高年齢者雇用安定法 ・障害者雇用促進法 ・パートタイム労働法 ・育児・介護休業法 |
社会保険に関する一般常識
略称は「社一」です。
社一も労一どうよう出題範囲が非常に広いです。
しかしながら、出題の傾向には偏りがみられます。
出題の中心は、「国民健康保険法」や「介護保険法」などの法令分野です。
まずは法令をしっかり学習しましょう。
毎年出題されている法律 | 次に重要な法律 |
・国民健康保険 ・高齢者医療確保法 ・介護保険法 ・社会保険労務士法 |
・児童手当法 ・確定給付企業年金法 ・確定拠出年金法 |
健康保険法
企業で働くものを対象とした医療保険制度であり、私たちにとって最も身近な法律の一つといえます。
おおきなポイントは、保険者が「全国健康保険協会」であることや、民間の「健康保険組合」も保険者になることです。
そのほかには、休業期間中に支給される「傷病手当金」も重要です。
また、費用計算に必要な「標準報酬」は厚生年金の分野でも関係してきます。
我々の生活に密接に関係する分野のため理解は進みやすいはずです。
国民年金法
国民の大きな関心ごととなっている法律ですので興味をもって学習を進めていける科目ではないでしょうか。
国民年金は全国民を対象とした年金制度であるため、自営業者だけでなく、会社員や公務員、その配偶者なども強制的に被保険者となります。
給付については、「老齢基礎年金」、「障害基礎年金」、「遺族基礎年金」が学習の柱となります。
公的年金制度は2階建て構造となっており、2階部分が厚生年金保険となっております。
体系的に学習していきましょう。
厚生年金法
厚生年金保険法では、国民年金保険法による年金(基礎年金)の2階部分を担う報酬比例の年金について規定しています。
その中でも老齢基礎年金が複雑であり、非常に理解が難しい内容となっています。
老齢厚生年金を理解するためには、その前提として国民年金の老齢基礎年金を徹底して理解する必要があります。
なぜなら、老齢厚生年金の受給資格期間は、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)と全く同じ考えに基づいていたり、老齢基礎年金における振替加算は老齢厚生年金の加給年金額と密接につながっていたりするためです。
これらのつながり把握しつつ学習を進めていくことが老齢厚生年金の攻略のカギです。
まとめ
社労士試験の特徴は、非常に似通った学習テーマを、きちんと整理しながら膨大な量の暗記をしていくことです。
ただやみくもにテキストを読んでも理解がなかなか進みません。
特に独学者は注意が必要です。
きちんと体系的に理解を行い、定期的に横断整理していかないと間違ったほうに進んでいきます。
しかしながら、きちんと理解が進めば必ず合格できる試験なのは間違いありません。
合格後の見返りも大きい資格ですので頑張ってチャレンジしてみて下さい。
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