【社労士】労働基準法の勉強方法。まずは基本7原則を学ぼう。

【社労士】労働基準法の勉強方法。まずは基本7原則を学ぼう。

労働基準法の勉強の仕方がよくわからない。

労働基準法の勉強のポイントが知りたい。

本日はこんな疑問に答えていきます。

私は銀行員として働きながら2018年度の社労士試験に合格しました。

労働基準法の本試験点数はこちらです。

選択式の点数は4点で、択一試験の点数は8点でした。

どちらも8割以上はとれているので少しは説得力はあると思います。

私の経験が少しでも役に立てば幸いです。

【本記事の筆者】
銀行員として働きながら4回目の試験で社会保険労務士試験に合格しています。
あきらめの悪さは自信があります。
現在は副業で社労士業を行っています。
社労士のほかに、宅建士、簿記2級などの資格を保有しています。
一応令和2年の予備試験受験予定です。
いつかは銀行を辞めるのが目標です。
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社労士試験、労働基準法基本7原則とは?

労働基準法の基本7原則とは、労働基準法の1条から7条までの規定です。

社労士試験の中でも超重要な分野となります。

私も7条までほぼ暗記していました。

それくらい重要な条文です。

一字一句すべて暗記する必要はありませんが、重要な語句と条文の意義は必ず押さえながら勉強していきましょう。

それでは一つずつ見ていきます。

労働基準法1条:労働条件の原則

労働基準法1条1項

労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

労働基準法1条2項

この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

1項は、憲法25条の生存権に基づいた条文になっています。

憲法25条

すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する

労働条件が人間の尊厳を保つために必要かつ十分な内容であるべきことを宣言したものです。

2項は労働基準法上の労働時間などの労働条件の基準は、法律として許容することのできる最低基準、つまり合法的な最低の水準にすぎないことを明確にしています。

また、本条は訓示的な規定であり違反に対し罰則はないことも注意してください。

試験対策としては、2項の、「労働関係の当事者」や「向上」「努めなければならない」などのワードは選択式で出題されると迷ってしまうかもしれないのできちんと確認しておきましょう。

労働基準法2条:労使対等の原則

労働基準法2条1項

労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきものである。

労働基準法2条2項

労働者及び使用者は、労働協約就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。

現実的に、労働者よりも使用者の方が優位に立っています。

そのため、労働基準法2条において、労使が対等の立場に立つべきことを定め、使用者にとって有利な労働条件を労働者に押し付けないように配慮しています。

2項の順守義務は双方に課されています。

また、1条と同じく、2条も訓示規定であり、違反に罰則はありません。

労働協約等の定義はこちらです。

労働協約 労働組合と使用者との間の団体交渉において合意した労働条件その他に関して、書面によりまとめたもの。原則として、その労働組合の組合員に関してのみ効力を生じる。
就業規則 事実上、使用者が一方的に作成・変更することができる事業場内の自主的な規律のこと。常時10人以上の労働者を使用する使用者に作成義務がある。事業場内の全労働者に対して効力が生じる。
労働契約 個々の労働者と使用者との間における労働条件に関する契約のこと。特に書面によることを要しない。

労働基準法3条:均等待遇

労働基準法3条

使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取り扱いをしてはならない。

差別の原因となる理由に関しては、限定的に列挙されており、国籍、信条又は社会的身分を理由とするときのみが対象となります。

ようするに、これら以外の学歴・能力・性別などを理由とする差別的取り扱いは本条違反にはなりません。

差別的取扱いが禁止される労働条件は全ての労働条件と考えられています。

したがって、賃金、労働時間に限られず、解雇、災害補償、安全衛生に関すものも含まれます。

重要な点として、本条は、雇入れ後における労働条件を制限するものであって、雇入れそのものを制限するものではありません。

択一試験などでよく問われるポイントなので気をつけてください。

労働基準法4条:男女同一賃金の原則

労働基準法4条

使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について男性と差別的取り扱いをしてはならない。

4条の差別的取り扱いとは、不利に取り扱う場合のみならず、有利に取り扱う場合も含まれるので注意です。

就業規則などに本条違反の規定があったとしても、現実に賃金の男女差別待遇がなければ、本条違反となりません。

過去に出題されているポイントなので要チェックですよ☺

労働基準法4条のみでは女性の権利が守られないため、男女雇用機会均等法においてより手厚い法が整備されています。

労働基準法5条:強制労働の禁止

労働基準法5条

使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

強制労働の禁止は、労働基準法の中でもかなり強力な条文となっています。

意思に反した労働については、必ずしも現実に労働者が労働することを要しません。

そこに抑圧や強要があれば成立します。

また本条違反については、労働基準法の中で、もっとも重い刑罰が科されます。

強制労働の禁止【最重罰】

1年以上10年以下の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金

ただし、詐欺により労働させることは、自由な意思を抑圧しているとは言えないので5条違反とはなりません。

労働基準法6条:中間搾取の排除

労働基準法6条

何人も法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。

※生業・・同種の行為を反復継続しておこなうこと。一回の行為であっても反復継続する意思があれば該当。

こちらの条文は、第三者が労働関係の開始または存続に首を突っ込み、その給与をピンハネすることを禁止したものです。

条文の法律に基づいて許される場合とは職業安定法の規定による許可を受けて行う有料の職業紹介事業などが該当します。

ちなみに労働者派遣事業に関しては、派遣元と派遣先の労働者の間で労働契約を締結するため、6条の中間搾取には該当しません。

労働基準法7条:公民権行使の保障

労働基準法7条

使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、または公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない。ただし、権利の行使または公の職務の執行に妨げがない限り、請求された時刻を変更することができる。

本条は、労働者の公的活動を保障する条文です。

使用者は、労働者の請求を拒むことはできませんが、妨げない程度で時間を変更することができます。

これを使用者の「時刻変更権」といいます。

また、公民権を行使する時間に対する賃金については有給とする義務はありません。

有給か無給かは労使当事者の自由です。

働いていないのなら給料は払う必要はないという「ノーワークノーペイの原則」に基づいています。

以下公民権、公の職務についてみてみましょう。

【公民権・公の職務の該当例】

該当する 該当しない
公民権 選挙権被選挙権の行使
最高裁判所裁判官の国民審査
特別法の住民投票
地方自治法の住民の直接請求権の行使
選挙人名簿の登録の申出
行政訴訟のうちの民衆訴訟、選挙又は当選に関する訴訟、選挙人名簿に関する訴訟
他の立候補者の選挙運動

個人的な訴件の行使(民事訴訟等)

公の職務 衆議院議員その他の議員、労働委員会の委員、労働審判員、裁判員等の職務
民事訴訟を含む訴訟法上の証人等の職務
公職選挙法の選挙立会人等の職務
予備自衛官が防衛招集、訓練

招集に応ずる行為、非常勤消防団員

労働基準法、基本7原則まとめ

労働基準法基本7原則は、社労士試験においては毎年出題される超重要な項目です。

選択式で細かいところが出題されて、足元をすくわれることもあるため、確実に勉強しておきましょう。

また、会社勤めのサラリーマンの方にとっては、馴染みやすい法律でもあると思います。

定期的に復習して、しっかり長期記憶にインプットするように心がけて下さい。

ではまた、次の記事でお会いしましょう。

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