社労士と簿記1級ってどっちが難しいの?
社労士と簿記1級は取得後どっちが役に立つ?
本日はこんな疑問を持つ方向けに記事を書いていきたいと思います。
私は銀行員として働きながら、2018年に社労士試験、2020年に日商簿記2級に合格しています。
どちらも独学での合格です。
社労士、簿記どちらも勉強してきた筆者ですが、両方とも社会の中で生きていく上でめちゃくちゃ役に立つ資格だと感じました。
その両方の資格を、難易度が似通っている社労士試験と日商簿記1級で対決形式で説明していきたいと思います。
一応社労士、簿記どちらも学習経験があるので信頼は出来ると思います。
それでは比較していきましょう。
銀行員として働きながら、様々な資格に挑戦しています。
保有資格は社労士、宅建、日商簿記2級などです。
令和2年予備試験は短答式で不合格でした。
来年は1から勉強しなおすため、とりあえず行政書士来年受験予定です。
Twitterもよろしくです☺
社労士と簿記1級の合格率の比較
まずは、それぞれの受験者数と合格率を見てみましょう。
簿記1級の合格率
回 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者 | 合格率 |
2021.2.28 | 7785 | 6351 | 502 | 7.9% |
2020.11.15 | 10078 | 8553 | 1158 | 13.5% |
2019.11.1 | 9481 | 7520 | 735 | 9.8% |
2019.6.9 | 8438 | 6788 | 575 | 8.5% |
2018.11.18 | 9852 | 7588 | 680 | 9.0% |
2018.6.10 | 9429 | 7501 | 1007 | 13.4% |
日商簿記1級の合格率は、約10%といわれています。
受験回数は、年2回あるので、年1回の社労士資格と比較すると、有利です。
また受験資格も特になく、誰でも受けることができる試験になっています。
受験料は7,850円です。
社労士試験の合格率
回 | 受験者数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格者率 |
2020年 | 49250 | 34845 | 2237 | 6.4% |
2019年 | 49570 | 38428 | 2525 | 6.6% |
2018年 | 49582 | 38427 | 2413 | 6.3% |
2017年 | 49902 | 38685 | 2613 | 6.8% |
2016年 | 51953 | 39972 | 1770 | 4.4% |
社労士試験の合格率は近年は、約6%で推移しています。
受験回数は毎年1回、8月に行われています。
受験資格は4年大学卒業など、簿記1級と違い、意外に厳しい規定が置かれています。
受験手数料は9000円と高めですね。
受験者数は5万人近くで、簿記1級の5倍近くあります。
資格の人気でいうと、社労士の圧勝ですね。
また、合格率だけで言うと、難易度は社労士の方が高く見えます。
社労士資格と簿記1級の試験内容の比較
簿記1級試験科目
簿記1級試験科目はこちらです。
科目 | 時間 | 合格基準 |
商業簿記 | 90分 | 70%以上 各科目40%以上 |
会計学 | ||
工業簿記 | 90分 | |
原価計算 |
簿記1級では「商業簿記と会計学で90分」試験があり、その後15分の休憩をはさみ、「工業簿記と原価計算で90分」試験があります。
90分間集中する能力を鍛えないといけませんね。
社労士試験科目
社労士の試験科目はこちらです。
試験日スケジュール
出題形式 | 試験時間 |
選択式 | 10:30~11:50 |
択一式 | 13:20~16:50 |
科目
試験科目 | 選択式 | 択一式 |
労働基準法・安全衛生法 | 5点 | 10点 |
労災保険 | 5点 | 10点 |
雇用・徴収法 | 5点 | 10点 |
労働保険一般 | 5点 | 10点 |
社会保険一般 | 5点 | |
健康保険 | 5点 | 10点 |
国民年金保険 | 5点 | 10点 |
厚生年金保険 | 5点 | 10点 |
合計 | 40点 | 70点 |
午前・午後あわせると290分の試験となり、簿記1級と比較すると、かなりボリュームのある内容となっています。
また、簿記1級同様、一定の点数を満たさなければ、足切りとなるためその点で、難易度が上がる要素となっています。
社労士、簿記1級合格のための必要勉強時間
簿記1級の勉強時間
簿記1級はかなり難易度の高い試験です。
勉強時間は500時間~1000時間といわれています。
合格率は、約10%で社労士よりも難易度は低いと思われがちですが、実際に簿記1級を受験するのは、簿記2級に合格した人がほとんどであり、受験者の質が高く、みかけの合格率より、難易度は高いと考えられています。
また、試験の内容に関しては、暗記も必要ですが、計算能力、スピード、正確さも求められます。
この点で社労士試験と大きく違います。
簿記が向き不向きがあるといわれる「ゆえん」です。
僕は簿記2級までしか受けていませんが、計算スピード、正確さが足りず合格できていません。
簿記1級を受験する方は、独学の場合は、なかなか理解が進みにくいため、スクールを利用するのが一般的になっています。
スクールを利用した場合は、平均600時間ほどで合格が見込めるようです。
簿記の資格スクールに興味のある方はこちらの記事を参考にして下さい。
社労士の勉強時間
社労士試験に合格するための、必要時間は約1000時間といわれています。
簿記1級よりも長時間の勉強が必要です。
理由としては、膨大な学習範囲の広さがあげられます。
社労士は、9科目もあり、試験時間は280分と、簿記1級と比べて、ボリュームが違います。
また、簿記1級と違い、計算問題の出題はほとんどありません。
全てマークシート形式の出題で、学習方法も暗記が中心です。
また、社労士試験は運要素が簿記1級よりも強く、実力があっても落ちてしまう受験者がいっぱいいます。
難易度の高い試験であることは間違いないですが、個人的には簿記よりも独学での取得に向いていると思います。
とはいえ、効率よく勉強するためには資格スクールは有効な手段です。
社労士、簿記1級の資格取得後のメリット
簿記1級のメリット
簿記1級の資格取得後のメリットは
・社会的価値が高い
・経理のプロフェッショナルとみなされる
・転職に有利
・税理士、公認会計士につながる
このあたりですね。
簿記1級を持っているということは、かなりのブランドになります。
会社に勤務している場合は一目置かれる存在であり、就職や転職する際にも、かなり有利に働くことは間違いありません。
また、営業などの現場での仕事が苦手な人は、簿記1級を持っていれば、より会社の経営に近い、経理、財務部の仕事に就くことができます。
これも大きなメリットになるはずです。
簿記1級の勉強内容は会社の財務の内容に関するものが多く含まれています。
簿記1級ホルダーは、会社の決算における、バランスシートや損益計算書を読み解くことができるとみなされます。
この能力は、会社の経営に必要な力であり、将来的に経営側に立つ素質があります。
また、株式投資などを行う際にもバランスシートなどを読むことのできる力は必須能力です。
これらの能力を身に着けることができることから、簿記1級の社会的な価値が非常に高い要因となっていると考えます。
また、簿記1級は、さらに勉強を深めていけば、税理士や公認会計士の道もみえてきます。
簿記に一生を捧げる覚悟のある人は、こういった資格を目指してみて下さい。
社労士資格取得後のメリット
・社労士のブランド力
・人事のプロフェッショナル
・転職に有利
・独占業務がある
・コミュニテイーが広がる
社労士も簿記1級と同じように、そのブランド力は高いです。
また、簿記1級が経理のプロフェッショナルであるのと同様に、社労士は人事のプロフェッショナルです。
その点でも、負けていませんね。
ただ、社労士資格の凄いところは、独占業務がある点です。
これは大きな違いです。
独占業務があると独立開業できるため、その資格で食べていけるということになります。
実際に私は、銀行員として働きながら副業で社労士業をしています。
具体的には社労士会から斡旋されるアルバイト的なことをしています。
簿記1級は資格取得してもそういう形で仕事を受注したりはできません。
また、社労士会を通して他の社労士の先生方と交流を深めることができるの特徴です。
仕事以外で専門家の先生と交流を深めることができることは、本業においてもいい影響を与えてくれます。
こういった点を重視するなら、社労士資格の方が、簿記1級を上回っているといえるでしょう。
社労士と簿記のダブルライセンス
次に社労士と簿記のダブルライセンスについて考えてみましょう。
結論としては社労士と簿記の相性はとてもいいです。
これは社労士の資格の特徴というよりは、簿記の汎用性が高いことが理由として挙げられます。
社労士として独立開業する場合でも、会社員として勤める場合でも役に立ちます。
それぞれのケースで見てみましょう。
社労士として独立する場合
まず社労士として独立する場合は、個人事業主となります。
個人事業主は必ず確定申告を行わなければなりません。
確定申告では負債や資産を計算してバランスシートを作ったり、費用と支出から損益計算書を作成する必要があります。
この際に簿記の知識は必ず必要になります。
この点で簿記の深い知識があれば、節税を行うこともできるかもしれません。
また、社労士の顧客はほとんどが個人事業主です。
社労士の本業は社会保険や就業規則、給与計算などを顧客に提案することですが、加えて簿記の知識があれば、顧問先の財務状況を把握できるため、より経営に近い提案を行うことができます。
簿記の知識があれば、その点で他の社労士と区別化が図れるということですね。
● 確定申告時に簿記の知識が生きる。
● 顧問先の財務状況を把握できるため適切なアドバイスができる。
サラリーマンの場合
サラリーマンの場合でも、社労士、簿記の資格を持っておくと相乗効果が見込めます。
なぜかというと、社労士と簿記は会社の超重要な部門である、人事課と財務課に関連があるからです。
この人事課と財務課で経験を積むと将来的に会社の幹部候補となることができます。
うちの銀行の常務も元人事課長ですし、財務課出身はエリートばかりです。
つまり、社労士と簿記の資格を両方持つということは将来の幹部候補だということです。
おそらくこの二つの資格を持っている職員というのは中々いないので勉強してみようと思ってる方にはおすすめです。
人事課と財務課の両方の適性があるため幹部候補となれる。
まとめ
今回は、社労士VS日商簿記1級ということで、2つの資格を比較、解説してみました。
社労士は人事のプロ、簿記は経理のプロということで、どちらも会社にとっては貴重な存在となることは間違いないでしょう。
社労士は、独占業務があるというメリットがありますが、その分資格取得には時間がかかります。
簿記は税理士等につながった行くというメリットもあるので、個人的には引き分けかなあと思います。
どちらも、社会的な価値はめちゃ高い資格なので、自分に合いそうな方をチャレンジしてみて下さい。
では、また次に記事で会いましょう。
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