こんにちは☺
たんたんめんです。
久々に簿記関連の記事です。
日商簿記の勉強を始めたばかりの人は知らない人もいるかも知れませんが、実は日商簿記検定と税理士試験は深いつながりがあります。
税理士といえば、年収1,000万を超えるあこがれの職業ですよね。
日商簿記の学習がどのようにしてこのエリート資格につながっていくのでしょうか。
税理士試験を目指す場合も日商簿記の勉強は必要なのでしょうか。
本日はこんな疑問に答えていきます。
あわせて、税理士試験の内容も解説していきますのでお付き合いください。
・日商簿記と税理士試験の関連性
・税理士試験を目指す場合の簿記の勉強の仕方
普段は銀行員をしています。
保有資格は社会保険労務士、宅建、FPなど。
2020年2月に4回目の試験で簿記2級に合格しました。
取得した資格の有益な情報をブログで発信中。
税理士試験とはどんな試験?
税理士試験とは税のプロフェッショナルである税理士になるための試験です。
税理士になると税金に関する独占業務を行えるため、企業の顧問として活躍できます。
一年目から年収1,000万を超えることも可能であり、士業の中でもトップクラスの人気です。
ただし、税理士試験は生半可な努力で合格することはできません。
試験の難易度もトップクラスです。
詳しく見ていきましょう。
【税理士の独占業務】
・税務の代理
・税務書類の作成
・税務相談
税理士の受験資格
税理士の受験資格は社労士以上にハードルが高いです。
受験資格は4つの区分に分けることができます。
以下4つの区分のいずれかを満たすことができれば受験資格があるということになります。
学識による受験資格
●大学、短大又は高等専門学校を卒業したもので、法律学又は経済学を1科目以上履修したもの。
●大学3年以上で、法律学又は経済学を1科目以上含む62単位以上取得したもの。
●一定の専修学校の専門課程修了者で、法律学又は経済学を1科目以上履修したもの。
●司法試験合格者
●公認会計士試験の短答式合格者
法律学‥法学,法学概論,憲法,民法,刑法,行政法,商法,国際法等が該当
経済学‥マクロ経済学,ミクロ経済学,経営学,経済原論,経済学史等が該当
4年制大学の法学部、経済学部などを卒業している方は大体受験資格ありと思っていいです。
資格による受験資格
● 日商簿記検定1級合格者
● 全経簿記上級合格者
上記の資格を取得することにより受験資格を満たします。
日商簿記1級取得は受験資格にも関係してくるんですね。
学識や実務の受験資格がない人は覚えておきましょう。
職歴による受験資格
●法人又は事業が行う個人の会計に関する事務に2年以上従事したもの。
●銀行、信託会社、保険会社等において、資金の貸し付け運用に関する事務に2年以上従事したもの
●税理士、弁護士、公認会計士等の補助事務に2年以上従事したもの
実務経験に関しては金融機関に勤めている場合はクリアするのは可能です。
ちなみに私は銀行員として融資担当で貸し付け業務をしているため、職歴による受験資格を満たすことになります。
税理士試験の科目内容
税理士の試験は会計学2科目、税法3科目、計5科目すべてに合格することで税理士試験突破となります。
科目の内容はこちらです。
会計学(必須科目) | 簿記論 | |
財務諸表 | ||
税法 (右から3つ選択) |
選択必須科目 (右から1つ) |
所得税法 |
法人税法 | ||
選択科目 (右から2つ) |
相続税法 | |
消費税法 | ||
酒税法 | ||
国税徴収法 | ||
住民税 | ||
事業税 | ||
固定資産税 |
必須科目である簿記論、財務諸表論から受験する人がほとんどみたいです。
税理士試験は科目合格すると、一生その合格は消えないため長期的な計画で合格を目指すこともできます。
合格率は全ての科目で約10~15%くらいになっています。
ただし、簿記論などは初学者も受験するため科目の難易度が下がっていますが、選択科目になってくるとほとんどの受験生がベテランとなり科目のレベルがあがるため合格率以上の難易度になっています。
税理士試験はよくマラソンにたとえられます。
科目数が多いため1年2年での合格は不可能といわれており、早い人でも4年はかかるみたいです。
長期間継続的に勉強できる環境にないと厳しい試験ですね。
税理士試験と日商簿記検定との関係
2つの試験の関連性として、税理士試験の受験資格の一つに日商簿記1級があることについて言及しましたが、試験の内容的にも税理士試験と簿記検定試験は重複している点があります。
具体的には税理士試験の会計科目である簿記論の内容と関連性があります。
日商簿記3級合格で3割、日商簿記2級で5割、日商簿記1級で9割という割合で税理士会系科目の学習が済んでいるといわれています。
税理士試験と日商簿記比較
それでは、税理士試験の会計科目と日商簿記検定を比較してみましょう。
日商簿記 | 税理士試験 | |
出題範囲 | 級ごとに確定している。 | 出題範囲は明確でなく年により異なる。 |
出題傾向 | 毎年おなじ。 | 傾向は毎年変わる。 |
出題内容 | 過去問に類似した出題。 | 毎年新しい問題がでるため過去問対策は有効ではない。 |
試験作成者 | 作成者は毎年固定。 | 学者が毎年交代して作成。 |
答案 | 鉛筆書き | 青か黒のボールペン |
合否判定 | 100点中70点以上一律合格(採点基準の調整なし) | 100点中60点以上合格 競争試験となっており、試験委員が合格率15%前後になるように採点を調整する。 |
試験の特徴 | 問題の難易度により合格率にかなり差が出る。 運ゲーになりがち。 |
問題の難易度により合格率の差はほとんどでない。 |
簿記論と日商簿記の一番大きな相違点は、出題内容だと思います。
試験勉強する際には過去問中心に勉強するのがセオリーですが、簿記論に関してはそのセオリーが通用しません。
税理士試験は独学では基本的には不可能といわれていますが、この点が要因になっています。
その他にも、日商簿記が70点以上一律合格なのに対し、簿記論は競争試験になっています。
毎年、受験生の一定数以上はごうかくでいる仕組みとなっています。
日商簿記と税理士試験簿記論どちらを勉強するべき?
これから簿記の勉強を始めようとする人は、日商簿記と税理士試験の簿記論どっちを勉強しようと迷われている方もいるかも知れません。
そんな方向けにアドバイスです。
結論から言うと、自分の将来設計によって選択すべきです。
なぜなら、そこで間違ってしまうと余計な時間と費用が発生してしまうからです。
いきなり税理士試験の講座を申し込んで結局あきらめるなんてことになりかねません。
具体的に考えていきましょう。
とりあえず簿記がどんなものか知りたい人
こういう方は日商簿記3級を受験することをおすすめします。
簿記の学習はかなり独特で計算問題も多いです。
そのため、勉強を始めて自分に向いてないと感じる人もたくさんいます。
簿記3級の受験は自分に向いているかを判断するうえで十分な判断材料となります。
経理部門で働きたい人
職場で経理部門で働きたい場合は、日商簿記2級の取得をおすすめします。
なぜなら、簿記2級取得者は会社での評価につながってくるからです。
簿記3級を取得してもそうでもないですが2級取得者は財務会計の能力に優れているとみなされます。
また転職にも有利な資格という点でも日商簿記2級取得が一番コスパがいいです。
収入アップさせたい人
自分の市場価値を上げて転職アップにつなげていきたい方は日商簿記1級取得がおすすめです。
どの業界においても日商簿記1級の破壊力はかなり高いです。
転職市場での価値もかなり高いため、大企業へのステップアップも可能な資格です。
会社員としてより高みを目指したいのであればおすすめの資格です。
税理士になる決意のある人
税理士に絶対になると決意している人であれば、即座に税理士試験に舵をきるべきです。
資格の学校などは、まずは日商簿記1級を受験しようとすすめることもありますが、簿記1級取得から始めるのは遠回りとなります。
即座に簿記論の勉強を始めることをお勧めします。
簿記3級、2級の取得も不要です。
最短距離で税理士試験の勉強を開始してください。
本記事まとめ
いかがでしたでしょうか。
税理士試験と日商簿記の関連性が理解できたんじゃないかと思います。
大きくは2つです。
● 日商簿記1級取得は税理士試験の受験資格の要件の中の一つ
● 税理士試験 会計科目簿記総論と日商簿記の出題範囲が重複している
こんな感じです。
またこれから簿記の学習をしていく方も自分の将来設計を踏まえて効率よく学習してください。
ではまた次の記事でお会いしましょう。
日商簿記2級‥経理に配属したい
日商簿記1級‥収入アップしたい
税理士試験‥絶対に税理士になると決意している
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